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渡り鳥

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 野鳥の中には、季節ごとに生息地を大きく変えるものがたくさんいます。このような定期的な生息地の移動を『渡り』と言って、『渡り』をする鳥を総称して「渡り鳥」と呼んでいます。主に繁殖を目的として春に南の国からやって来て日本で夏を過ごすツバメやアマサギなどを「夏鳥」と言い、越冬のために北の国からやって来て日本で冬を過ごすマガモやハクチョウなどを「冬鳥」と言います。ツバメは春になると街中で普通に目にすることができますし、琵琶湖にも多数が飛来するコハクチョウや山本山にやってくるオオワシなどは、“冬の使者”として風物詩にもなっていて、「渡り鳥」としてよく知られているでしょう。

タカの渡り

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 案外知られていない事ですが、タカの仲間にも『渡り』をする種があって、「渡るタカ」の代表的な種として、サシバ・ハチクマ・ノスリの三種が挙げられます。サシバとハチクマは夏鳥として飛来し、繁殖を終えると、9月中旬から下旬にかけて南の越冬地へ移動する『渡り』のピークを迎えます。反対に冬鳥として越冬のためにやって来るのがノスリで、10月に盛期を迎えます。他にもツミやハイタカといった小型のタカも観察することが出来ます。これらタカの仲間の「渡り」を「タカの渡り」と言って、猪子山では1シーズンで10,000羽前後。多い日には1日で2,000~3,000羽もの渡って行くタカの姿を見ることが出来ます。

猪子山タカの渡り

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 猪子山におけるタカの渡り観察は2002年頃に始まりました。日本野鳥の会滋賀支部が設立された2005年以降は支部の調査として10年間実施されてきましたが、11年目を迎えた2015年からは、猪子山のタカの渡り調査を行ってきた調査員有志に新たなメンバーを加えた『タカの渡り調査グループ』を結成し野鳥の会から独立してこの調査を実施しています。長野→岐阜と内陸を進んできたタカは、関ケ原近辺から滋賀県に入り、琵琶湖の東を南西へと進みます。猪子山はこのルートの中央に位置し、渡り観察の好適地です。年齢・職業・性別・所属・経験一切不問です。タカの渡りに興味を持ち、共に空を眺める仲間を歓迎します。

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