野鳥の多くは季節によって生息域を変える移動をしています。
平地と山地とを行き来する小さな移動から、中には2万キロ・3万キロといった地球規模の大きな移動をするものまでありますが、海を越えるような長距離の定期的な移動を「渡り」と呼んでいます。
タカの仲間にもこの渡りをする種があり、これらタカによる渡りを「タカの渡り」と言って、多くのファンを魅了させています。
越冬地である南の国を目指す途中、関ケ原付近から滋賀県に入ったタカたちは、琵琶湖の東に広がる湖東平野を南西へと進みますが、この湖東平野に位置する猪子山は、西にも東にも遠くまで見渡せることや、中には通過するタカを至近距離で見られることもあって、タカの渡り観察の好適地となっています。
「猪子山タカの渡り調査グループ」は、毎年9月5日~11月8日までの65日間、この猪子山付近を渡って行くタカの種と数とを調査しています。
長い年月の継続した調査によって食物連鎖の頂点に立つタカの増減を把握することは、多様で豊かな自然環境が保たれているかどうかの指標になり得ると考えられます。
理屈は抜きにしても、ピーク時ともなると僅か1時間で1,000羽程ものタカが猪子山付近を一気に通過していく様は正に圧巻の一言ですし、秋の高空を粛々と越冬地に向かう姿には神々しささえも覚えます。
タカの渡り調査はタカが生息する場所へ出向くのではなく、渡りの途中で通過するタカをひたすら待つ(探す)という手法です。故に長期間・長時間に及び、慢性的な人手不足の状態にあります。
年齢・職業・経験、一切関係ありません。共に秋の空を眺め、大自然の営みにロマンを追い求める仲間を歓迎します。
猪子山タカの渡り調査グループ